学会紹介
<ご挨拶>
象牙質歯髄治療学会(Dentin Pulp Treatment Association:DPTA)は、歯髄を最大限に保護して国民の歯の健康寿命の増進を図ることを目的とし、象牙質修復法や歯髄温存療法、さらには歯髄再生療法の革新を目指して令和2年4月に正式に設立され、会則も同時に制定されました。その記念すべき第一回学術大会および市民公開講座が「歯髄を守る」をテーマに2020年2月24日に岡山大学Jホールで開催され、多数の参加者のもと好評を博しました。
Dentin Pulp Complex(象牙質歯髄複合体)の概念が提唱されて以来、象牙質が口腔に露出した時点で、象牙細管レベルで露髄が生じており、歯髄をいかに保護するかが歯科医の使命ともいえる現在、象牙質歯髄治療学会の対象とする学問領域は、う蝕学、保存修復学、歯内療法および接着歯学と多岐にわたっています。とくに接着歯学が歯髄保護の概念を大きく進化させており、極力抜髄をしない象牙質治療が求められており、また2000年より提唱されてきたMinimal Intervention Dentistryの真の実現を本学会は目的としています。
象牙質歯髄治療学会雑誌(Dentin Pulp Treatment Association Journal)(DPTAJ)
の記念すべき創刊号の編集に当たって、とりわけ重視したのは、現在最も信頼できる治療指針を当該分野のトップリサーチャーに総説として執筆していただく事であり、また会則、役員名簿、入会案内も掲載し、第一回学術大会および市民公開講座の概要もあわせて掲載し、2021年2月1日にオンラインで発刊しました。この学会専用のホームページ開設にあたり、ISSN 番号の取得および医学中央雑誌への登録を早期に実現したいと考えています。
世界的なコロナウイルス感染拡大の収束が見通せない中、第2回学術大会はオンライン形式で20201年5月16日に「象牙質接着を極める」をテーマに多数の参加者のもと無事に開催終了することができました。DPTAJ第2巻では、原著論文の掲載を予定しており、象牙質歯髄治療の基礎的・臨床的な研究成果を会員各位に伝えたいと考えています。
なお第3回学術大会は北海道医療大学において斉藤隆史副会長のもとに開催する予定ですが、多数の先生方や協賛企業のご支援のもとにこの学会を発展させてゆきたいと考えておりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
象牙質歯髄治療学会・会長
吉山 昌宏